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Dyspepsia (消化不良)について
 

日本人の間で多い胃の症状の中に消化不良があります。消化不良とはみおぞちのあたりに起こる、痛み、又は不快感の事を言います。痛みは持続する場合もありますが、繰り返し起こる場合もあります。消化不良は性別、年齢を問わず起こります。4人に一人はいつかは消化不良の症状を訴えると言われます。
 
症状は様々ですが、胃痛、胃の不快感、膨満感、胸焼け、吐き気、嘔吐、げっぷなどが主なものです。このような症状が長く続く場合は一度医師と相談した方がよいでしょう。
 
消化不良の原因は胃炎、胃潰瘍、胃酸逆流から起こる事もありますが、多くの場合はっきりした原因は見つからず、機能性消化不良という診断になります。これは色々な事が重なって起こる症状(ストレス、暴飲暴食、ピロリ菌の感染等)で、ピロリ菌の治療をのぞいては生活改善が重要なカギとなります。胃酸が逆流すると食道の方に胃酸が移動します。胃の粘膜は胃酸に耐えられるように有る程度頑丈に出来ていますが、食道の粘膜は比較的弱く、胃酸逆流が起こると炎症を起こし、胸痛などが起こります。また場合によっては胆嚢機能低下から同じ様な症状が起こることもあります。胆石を持っている方はリスクが高くなります。もう一つ注意すべきことは、心臓から来る痛みも時には胸焼けとして現れるということです。胃薬を飲んでも改善されないので医者に行ったら狭心症だったというケースは珍しくありません。
 
消化不良の症状は殆どの場合、内服薬で改善されます。薬を服用しても回復しない場合は、重症の潰瘍もしくは癌の可能性も考えられます。下記の症状が当てはまる場合は要注意です。

50歳以上
体重減少
嚥下障害
頻繁に起こる嘔吐
タール便
みぞおちに触れられるしこり。

治療法は原因によって異なりますが、潰瘍の場合は胃酸抑制剤をしばらくの間服用します。胃がピロリ菌に感染されている場合は抗生物質が必要です。場合によっては他の理由で服用している内服薬が胃に合わない場合もありますのでこの場合は薬を変える必要があります。又、胃の内視鏡検査が必要なこともあります。内服薬治療を8週間続けても症状が治まらない場合、又は薬を止めると再発する痛みなどが検査の対象となります。胃の内視鏡検査を日本で受けかなり辛い思いをされた方が多いようですが、アメリカでの検査は軽い睡眠薬を投与してから行いますので、殆どの方が何も覚えていない程苦痛のない方法で行われます。
 
その他にもにもいくつかの注意事項はあります。まず喫煙者は煙草を辞めることです。煙草に入っているニコチンは胃酸の分泌を促進するので、消化不良の症状を悪化させます。また潰瘍がある場合はその回復を送らせる原因ともなります。ストレスも胃酸分泌を促進させます。ひどくなるとストレス性胃炎になってしまいます。胃酸逆流がある場合は就寝前の飲食は避けるようにして下さい。また睡眠時は枕を重ねて頭部を少し高くして寝ると逆流を多少は抑えることが出来ます。また痛み止めの乱用は要注意です。アスピリン、Advil等の消炎鎮痛剤は消化不良の原因となることがあります。Tylenolは胃に優しいのでお勧めします。また消炎鎮痛剤でも胃に負担の少ない薬が最近発売されました。これらはまだ処方箋が購入に必要ですが、関節炎などの慢性的な痛みを抱えている方には良いでしょう。