今月は頻繁に起こる目の病気、ものもらいについて説明します。
● 症状は?
まぶたの外側または内側に小さなしこりが出来る事から始まります。しこりが痛くなり、まぶたが赤く腫れるのが一般的な症状です。
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原因は?
ものもらいはブドウ球菌の感染によっておこり、まつげのそばにある皮脂腺が化膿して起こるものと(外麦粒腫、)瞼の裏側のマイボーム線が化膿して起こるもの(内麦粒腫)との二種類に分かれます。瞼を裏返してみるとよくにきびぐらいの大きさの出来物が見られます。症状が悪化すると、場合によっては皮膚の腫れがまぶた以外にも広がり、患側の耳前リンパ線の腫れと痛みも現れる事もあります。
●ものもらいはどういう人に出来るのですか?
10代から30代に多いようですが、年齢、性別問わず、誰にでも起こる事があります。また、ニキビが多い方、コンタクトレンズ使用の方、またはアイメークの濃い方の発生率が高いようです。これらの状況は目に雑菌がつきやすい事と、皮脂腺の出口がふさがりやすい事からリスクが高くなります。
●治療法は?
どちらのタイプでも治療法は同じです。ものもらいの治療法は基本的に3つのステップを行って下さい。
■1)顔を清潔にすること。これ以上感染をひどくしないためには大切なことです。刺激の弱い、無臭の石鹸(Johnson’s
Baby Shampooが適当)を使い顔(特に瞼)を毎日2回は洗って下さい。
■2)痛むところを温めること。指先で軽く瞼をつついてみると、特に痛みの激しい部分があります。この部分を一日3回、15分単位で熱いタオルなどを当てて下さい。温めることでたまっている膿を出すことが出来ます。
■3)抗生剤の目薬を投与します。これで、細菌を殺すと同時にこれ以上の化膿を防止します。目薬は3-4時間の間隔で治るまで使うようにします。
上記の治療を続けていれば殆どの場合1週間ぐらいで回復します。治療をしても治らず、切開して排膿する必要のあることもありますが、これはまれです。
●予防法は?
ものもらいは細菌の感染が原因ですので、唯一の予防法は汚い手で目をこすったりしないことです。まめに手を洗うことを身につけることがいいでしょう。ものもらいを放置しておくと、瞼全体がはれ、さらには周囲に広がって、全身に症状が出ることもあります。比較的簡単に治るものですので、悪くならないうちに早めに治療して下さい。
●ものもらいは人から人へうつるのですか?
感染症と聞くと、伝染病のもののような印象を受けるかもしれませんが、ものもらいの原因はウィルスではなく雑菌が原因ですので人から人へうつることはありません。誰の肌にも存在する菌が、何らかのきっかけで炎症を起こしものもらいになりますので、友達や家族がものもらいになったからと言って、接触するのに神経質にならなくても大丈夫です。ただし、ものもらい以外の目の病気(特に結膜炎)はうつりますので注意して下さい。
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